GW最終日の夜、眠れない。それはあなたの心が正直なだけだ。

心と体のSOSに気づいてほしい 心と体がつらい

GWが終わる。

それだけで、なんとなく体が重くなる人がいると思う。

「仕事行きたくないな」「また明日から始まるのか」「なんでこんなに憂鬱なんだろう」。べつに深刻な悩みがあるわけでもない。ただなんとなく、気持ちが沈んでいる。眠れない。

この記事はそういう人のために書いた。

なぜ眠れないのか。今夜に効く話と、明日をどう乗り越えるか。順番に書いていく。

ちなみに私のGWはというと、リビングで進撃の巨人を一気見した。壁の外の世界を知った人間が絶望しながらも戦い続ける話を、ソファでぼーっと見続けた。なぜか生きる活力が湧いてくる。エレンが「戦え」と言い続けているからかもしれない。

それとハリーポッターのトレカを衝動買いした。パックは開けた。ウルトラレアは出なかったが、光っているスネイプ先生が出た。ちょっとうれしかった。ただしルールが難しそうで、カードは机の上に並べたまま眺めている。

そんなGWだった。悪くない。

そんなことはさておき。

なぜGW最終日は眠れないのか。原因を全部並べる。

眠れない原因は一つじゃない。GW最終日という特殊な夜には、いくつかの要素が同時に重なってくる。自分がどれに当てはまるか、確認しながら読んでほしい。

① 仕事のことを考えると、脳が勝手に目を覚ます

これが最大の原因だ。

明日から会社がある。あの上司の顔を思い浮かべる。積み上がっているであろうメールを想像する。明日予定されている朝礼を思い出す。そのたびに体が緊張する。

これは意志の問題でも根性の問題でもない。脳の仕組みの問題だ。

仕事のことを考えると、ストレスホルモンである「コルチゾール」が分泌される。コルチゾールは体を「臨戦態勢」にするホルモンだ。血圧を上げ、心拍数を上げ、脳を覚醒状態にする。要するに仕事のことを考えれば考えるほど、脳は「今は戦う時間だ、起きろ」と命令を出し続ける。

眠ろうとしながら仕事のことを考えるのは、ジョギングしながら体を冷やそうとするようなものだ。構造的に無理がある。

しかも「眠れない」という状態自体がさらにコルチゾールを分泌させる。眠れないから不安になる。不安になるからさらに眠れない。この悪循環にはまると、深夜2時になっても3時になっても目が冴えたままになる。

不眠の原因を調査した調査によると、睡眠の悩みを持つ人の原因の1位は「ストレス」で52.2%にのぼる。2位の「生活習慣の乱れ」38.4%を大きく引き離している(日本インフォメーション調べ)。仕事のストレスと眠れないことは、切り離せない問題だ。

考えるカエル
仕事のことを考えるたびに脳が「起きろ」と命令を出す。これは意志の問題じゃなくて、ホルモンの問題だ。

② 生活リズムが崩れて、体内時計がどこかに旅立っている

昼まで寝た日がある。夜更かしが続いた。旅行で疲れて後半はだらだらした。

そりゃリズムは崩れる。崩れない方がおかしい。

人間の体内時計は、毎日の「起きる時間」「寝る時間」「光を浴びる時間」によって調整されている。これが数日ズレると、夜に眠気が来るタイミングもずれてしまう。平たく言うと「眠いはずの時間に眠くない」という状態が完成する。

アメリカの研究では、休日に平日より2時間多く寝るだけで、その後の1週間の体内リズムが乱れるという報告がある。2時間だ。GWで2時間どころじゃなかった人は、体内時計がすでに別の時間帯を生きている。帰ってくるのは来週あたりだ。

さらに生活リズムが崩れると、セロトニンの分泌も乱れる。セロトニンは「幸福ホルモン」とも呼ばれていて、日中に日光を浴びることで分泌される。これが不足すると気分が落ち込みやすくなる。連休後半にずっと家にいて外に出なかった人は、そこでもダメージを受けている可能性がある。

体内時計の乱れ、コルチゾールの過剰分泌、セロトニン不足。これが同時に起きているのがGW最終日だ。眠れないのは当たり前だ。

③ スマホのブルーライトが「今は昼間だ」と脳に伝え続けている

わかってる。わかってるんだけど、やめられない。

布団の中でスマホを見ている。SNSを開く。みんなのGWの楽しそうな写真が流れてくる。海、BBQ、旅行。それを眺めながら「自分のGWはどうだったか」と振り返る。そして「明日から仕事か」に戻ってくる。スマホを閉じる。また開く。

スマホのブルーライトは、脳に「今は昼間だ」と誤認させる。すると睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑制される。メラトニンは「夜だよ、寝る時間だよ」と体に伝えるホルモンだ。それが出なくなるのだから、眠れなくなるのは当然の話だ。

しかもSNSは感情を揺さぶるように設計されている。他人の充実した投稿を見ることで、自分の休日への後悔が生まれる。後悔は不安を生む。不安はコルチゾールを分泌させる。つまりスマホを見るたびに「眠れない状態」が強化されていく。

SNSはよくできている。人の幸福を見せることで、自分の不幸を際立たせる機能が標準装備されている。

④ GW中に「答えの出ない問い」と向き合ってしまった

普段は仕事に追われていて、深く考える余裕がない。でもGW中、ふとした瞬間に色々と考えてしまった人がいると思う。

「この仕事、ずっと続けていいのか」「あの上司のあの発言、やっぱりおかしくないか」「自分はこれでよかったのか」「もっと違う生き方があるんじゃないか」。

仕事から離れることで、逆に仕事や人生について考える時間ができてしまう。しかもその問いは、GW中に解決できるものじゃない。答えが出ないまま連休最終日を迎えると、夜になって頭の中でその問いがループし始める。

答えが出ない問いを夜中にぐるぐると考え続けるのは、人間が最も消耗する行為のひとつだ。眠れるわけがない。

⑤ 「ちゃんと寝なきゃ」という焦りが、眠れなくさせている

「明日仕事だから、ちゃんと寝なきゃいけない」と思えば思うほど眠れなくなる。

これ、本当によくできた皮肉だ。

睡眠は「リラックス状態」でないと訪れない。でも「眠れなかったらどうしよう」という焦りは、交感神経を刺激して覚醒状態を維持する。つまり「眠ろうとする努力」が「眠れない状態」を作り出している。

心療内科の専門家は口をそろえてこう言う。「眠れないことを気にしすぎると、余計に眠れなくなる」と。そんなことを言われても気になってしまうのが人間なのだが、まあそういうことだ。

眠れないことへの恐怖が、眠れない状態を長引かせる。これを「不眠恐怖」と呼ぶ。GW最終日は、この不眠恐怖が最も発動しやすいタイミングのひとつだ。

⑥ GWが終わることへの喪失感と、充実できなかった後悔

連休が終わるという事実そのものが、うっすらとした悲しみを生む。

「楽しかった時間が終わった」という喪失感が、眠りを浅くする。特に今年のGWが充実していた人ほど、この喪失感は強い。楽しかったGWへの未練と、明日からの仕事への恐怖が同時に押し寄せてくる。

そしてここが皮肉なのだが、「GWが全然楽しめなかった」という人も眠れない。充実しなかった後悔と、また何もできずに日常が始まることへの焦りが押し寄せてくる。

つまりGW最終日は、充実した人も充実しなかった人も、どちらも眠れない構造になっている。どこにも逃げ場がない。GWという制度が人間に優しくない設計になっているとしか思えない。

よく言われる「眠れないときの対処法」は、今夜は正直向いていない

「スマホを見るのをやめる」「早めに布団に入る」「深呼吸をする」「ホットミルクを飲む」「部屋を暗くする」「アロマを焚く」。

そういう記事はたくさんある。私も読んだ。何度も試した。ことごとく失敗した。

スマホをやめようとするが、やめた後に頭の中で仕事のことを考え始めてもっと眠れなくなった。深呼吸をしようとしたが、3回で飽きた。ホットミルクは牛乳が切れていた。早めに布団に入ったら、布団の中で2時間ぼーっとするだけだった。アロマは持っていない。

これらの方法は悪くない。ただ、心が穏やかで環境が整っていることを前提にしている。GW最終日の夜、心が穏やかな人間がどこにいるのか。

「眠れない・起きられない」という慢性的な睡眠の問題はまた別の記事で改めて書く。今夜の問題は違う。原因が明確で、対策も明確だ。

GW最終日に眠れない、本当の原因は一つだ

正直に言う。

生活リズムの乱れも、スマホも、焦りも、全部脇役だ。GW最終日に眠れない本当の原因は、明日また仕事に行かないといけないことへの恐怖だ。

だとすれば、解決策も明確になる。

「明日どうするかを決める」。それだけだ。

答えが決まっていないから不安でループする。「どうしよう」を「こうする」に変えると、脳が少し落ち着く。今夜の問題はシンプルだ。明日の選択肢を決めてしまえばいい。

考えるカエル
「どうしよう」のループを止めるには、答えを出すしかない。今夜中に「行くか、休むか」を決めてしまう。それだけで少し楽になる。

明日の選択肢は二つしかない

難しいことは言わない。選択肢はこれだけだ。

仕事に行くか、休むか。この二択だ。

退職代行に電話する前に、まずこの二択を考えてほしい。

選択肢① 仕事に行く

行けそうなら行く。それだけでいい。

ただし、フルスピードで走ろうとしなくていい。GW明けの初日に完璧なパフォーマンスを出そうとしなくていい。「職場に着いて、存在するだけ」で合格だと思っていい。脳が仕事モードに切り替わるには数日かかる。最初の1〜2日がしんどいのは構造的に仕方ない。

遅刻してもいい

「ギリギリ起きられるかどうかわからない」という人は、遅刻することを最初から許可しておく。GW明けに少し遅れてくる人間は日本中にいる。本気で申し訳なさそうな顔をして「すみませんでした、体調が少し優れなくて」と言えばいい。それだけだ。周りは思ったよりあなたのことを気にしていない。みんな自分のメールボックスを見て「うわ、溜まってる」と思っているだけだ。

有給を使って出勤日を減らす

5日間フルで行く必要はない。GW明けの週に有給を1日使うだけで、全然違う。4日でいい。3日でもいい。「行く」という選択をしながらも、週の中に休みを挟む。それだけで体への負担が大きく変わる。有給の使い方や伝え方については別の記事に詳しく書いた。

有給休暇はあなたの権利だ。使い方と伝え方を正直に書く。

仕事終わりに楽しみを一つ用意しておく

「今日仕事が終わったらあれをする」という楽しみがあると、人間は案外動ける。

たとえば仕事終わりに軽く飲みに行く。帰り道に本屋をぶらぶらする。ちょっといいコンビニスイーツを買う。好きなドラマの新エピソードを見る。行きたかったラーメン屋に寄る。なんでもいい。大きな楽しみじゃなくていい。「今日を乗り越えたら、あれがある」という感覚が、今日一日を生き延びる理由になる。

仕事終わりの楽しみを、今のうちに決めておく。それだけでいい。

「今日だけ」と決める

「これからずっとこの仕事を続けないといけない」と考えると、気が遠くなる。そうじゃなくていい。「今日だけ」だ。今週のことも来月のことも考えなくていい。今日を乗り越えることだけ考える。今日を乗り越えたら、また明日のことは明日考えればいい。

選択肢② 休む

行けないと思うなら、休んでいい。

「GW明けに休む」ことへの罪悪感を持つ人は多い。でも休む権利はあなたにある。有給休暇は労働者の権利だ。使うために存在している。

連絡文はシンプルでいい

「GW明けに休むと言いづらい」という人へ。朝に一言送るだけでいい。

「体調が優れないため、本日はお休みをいただきたく存じます。ご迷惑をおかけして申し訳ありません」

これだけだ。詳しい理由を説明しなくていい。聞かれたら「胃腸の調子が悪くて」でいい。嘘でもない。仕事のことを考えると実際に胃が痛くなる人間はたくさんいる。それは医学的にも「機能性身体症状」として認められている立派な体の反応だ。

休んだ翌日どうすればいいか

「休んだら翌日行きづらくなる」と心配する人がいる。そうかもしれない。でも行きづらいのは最初の5分だけだ。一言「ご迷惑をおかけしました」と言えば、あとはいつも通りの毎日が始まる。

私も若い頃に仕事を休んだことがある。次の日が地獄かと思っていた。でも職場の人たちは思ったより普通だった。「大丈夫でしたか」と声をかけてもらって、それで終わった。みんな自分のことで精一杯だ。

休んだ日に何をするか

せっかく休むなら、少しだけ自分を回復させることに使ってほしい。外に出て日光を浴びる。近所を少し歩く。好きなものを食べる。長めに寝る。それだけでいい。「休んでいるのに生産的なことをしなければ」と思わなくていい。休むことが今日の仕事だ。

「いっそ辞めてしまおう」と思っているあなたへ

GW最終日、眠れない状態で「もう辞めよう」と思う人がいる。

その気持ちはわかる。本当に。

でも一つだけ聞いてほしい。今夜は、あなたが今年で一番しんどい夜かもしれない。

連休が終わる喪失感、明日への恐怖、眠れない焦り。これが全部重なっている今この瞬間は、冷静な判断ができる状態じゃない。GW最終日の夜に下した「辞める」という決断は、翌週の昼間に落ち着いた状態で下す決断とは別物だ。

退職代行サービスの利用者は年々増えていて、GW明けは特に依頼が集中する時期だ。退職という選択肢自体を否定しているわけじゃない。本当に限界なら、それは正当な選択だ。ただ「今夜が一番しんどい夜」だということだけは、頭の片隅に置いておいてほしい。

退職は、いつでもできる。

辞めるという選択肢は明日も来週も来月も消えない。今夜に決断しなくていい。まず「行くか、休むか」を選ぶ。行ってみて、あるいは休んでみて、それでも「やっぱり無理だ」と思ったら、そのとき初めて次の手を考えればいい。

順番は「今日を乗り越える→それでもつらければ休む→休んでも無理なら次を考える」だ。

考えるカエル
退職はいつでもできる。でも今夜は、今年で一番しんどい夜かもしれない。その判断は、もう少し落ち着いてからでも遅くない。

今夜、これだけ覚えておいてほしい

眠れないのはあなたが弱いからじゃない。仕事のことを考えると脳が覚醒する、ただそれだけだ。

今夜できることは一つだけ。「行くか、休むか」を決めてしまう。決まったら、スマホを置いて目を閉じる。眠れなくてもいい。横になっているだけで脳はある程度休まる。

眠れなかったとしても、死にはしない。仕事中に眠くなったとしても、なんとかなる。日本のオフィスには、いつだって眠そうな顔をした人間がたくさんいる。あなただけじゃない。

明日のことは、明日考えればいい。今夜はもう、考えなくていい。

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